一角獣

第一の獣、至高の超越獣は一本の角を持っていたという。
その『唯一の角』がある限り、かの獣を一騎打ちで倒す事はできず、またその身を傷つけることもできなかったという。
唯一の象徴であったその角、長く尖った棒状の物体としての符号が、一角獣の役割を担うグレンデルヒ・ライニンサルにも存在した。
それが槍。
グレンデルヒが保有し、彼を最強たらしめる唯一絶対の創世の楔。
紀元槍。
それが、『獣の角』とイコールで結ばれている事は創造に硬く無い。

だがしかし、ここで疑問が呈される。

カタストロフを打ち出す拳銃、爆炎纏う撃鉄がグレンデルヒを瞬殺した際、彼の手に果たしてそんなものがあっただろうか。
否、彼の手に、そして王者の塔のどこにもそれらしき槍は存在しなかった。

ならば今、その槍はいずこに?