2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

フィアマの空、屠殺彦の夏

「それでも、あなたが、」鮮血が、視界を染め上げる。 それすらも、圧倒的な熱の前に刹那の間に蒸発して。「やっとわかった、屠殺彦のこと。だからもういい。だいじょうぶ。へいき」 「フィアマ?」 「わたしは他の人なんか知らない。みんな死んじゃっても知…

ゆらゆらと揺れる泉の彼方

ヒーローソード=屠殺彦は静かに歩みつつ、妙な事になったと煩悶を続けていた。 背後には、今にも切りかからんばかりに敵意を漲らせてこちらを睨みつけるかつての好敵手デスキャベツと、そのデスキャベツを嫌悪の目で見つめつつ牽制し、屠殺彦に明らかな好意…

殲滅直線

死が。直上より振り下ろされる鋭利な、そして避けがたい鋼の一撃を前にして、ザリスは暢気にも全く別の事を考えていた。 その事柄とは、先ほどからザリスの下腹部を熱く疼かせているあるひとつの衝動である。トイレに行きたい。すなわち、彼女の膀胱は極めて…

僕と魔女式黙示録

ヘクセン達が用いる魔法陣は常に六虻星である。 彼女らの通称は、6の意味を持つヘキサから取って名付けられた。

炎上

燃え盛る炎、立ち込める黒煙と熱気の向こうから、恐るべき速度で迫り来るそれの気配を察知すると、臥せて沼女を誘い込んだヌはいよいよ決断を迫られた。 沼女の作戦とメテオラの進路を予め把握していたヌは両者を激突させ沼女を間接的に滅ぼす作戦を実行に移…

第三の獣〜沼女〜

執念と覚悟。勝利するために必要な事を理解し、その重さを受け止めて実行することが出来る強靭な精神を持つ。 予選において最も多くの敵対者と相見えた実力者。演じるのは悟性の獣、本来は刃を持ちながら刃を用いぬ穏やかな獣。 http://hwm5.gyao.ne.jp/laev…

激進

ナーナー。 ナーナー。悲鳴のようなものを上げつつ炎上する、一面のナーナー畑。 ナーナーの群生地である星見の塔の庭部で、沼女は火炎を撒き散らしながら周囲を警戒し続けていた。 本戦に備えて、予選時に打倒したナーナーを捕獲、栽培していた沼女は、早々…

妨げるもの語りて曰く、

「王、超越獣カッサリオは天地を掌握する万能の一角を持ち、隕石獣マークシフは世界を統べる摂理を識る全知者、そして無為なるダーナは伝承の中では全くの意味を持たない」 このように、と無数の手が広げられ、大仰な手振りが花を開くように視点を一箇所に集…

美姫レストロオセ

伝承に拠れば。 19の獣の中にあって異端、獣ならざる美貌を持つ少女の姿をしたソレは、類希なる魔術の才を有していたという。その業は既に人の身で為しえる限界を突破し、超越し、やがて死の枷を外しうるほどにまで高められたという。 撃鉄の、ザリスの動体…

第六の獣〜ねこ☆ぱんち♪そぉど〜

にゃああああ。

第十一の獣〜ヌ〜

逆巻く虚言。奈落の番人。死者を裁き、欺き、地獄に落として嘲り謗る。 その名の意味は妨げを意味し、つかさどる獣の名は使役を意味する。多相獣を演じるが故に、その役割は複数の獣を兼ね備える。 http://flicker.g.hatena.ne.jp/Niv-Mizzet/20080511/p1

黄泉帰り

まくろ=こすもす=りーんが目を覚ますと、そこは霧に包まれ、空から紫色の光がうっすらと差す奇妙な世界にいた。 自分は死んだはずだと、彼女は冷静に思考していた。自分は戦闘時の昂揚によるミス、致命的な失態を晒し、背後から攻撃を受けて死んだ。それが…

巡る必殺

ザリスは、己の固有能力(ユニークスキル)に巡る必殺(ワンダリングチェイサー)という名前を付けている。 幼少の砌、足先が落雷に撃たれた瞬間、感電死を防ぐため咄嗟の判断で両足を切り落として以来、ザリスは車椅子での生活を余儀なくされていた。 しか…

血の雨

遡る事、数分前。 巨大なる怪異、リジェネレイト・スライムの包囲攻撃によって長期戦を強いられる事になった進撃のメテオラは、絶え間ない頭痛に苛まされていた。 前進と殴打以外の一切の行動が出来ず、また考える事のできない不滅の骸骨メテオラは、殴って…

仮面

響き渡る叫びに振り返ったフィアマが見たものは、凄まじい形相で倒れ行く少女と、倒れ臥した少女の頭に追い討ちの剣を突き立てた男が荒く息を吐いている場面だった。 がばりと顔を上げて男が叫んだ。 「無事か!?」 誰が?!などと返す余裕も無しに男がフィ…

襲撃

まくろ=こすもす=りーんは、その身を濃霧の中に隠して密やかにその機会を窺っていた。 屠殺彦とフィアマの邂逅時点で、まくろは既に両者が激突した結果生き残るのは高確率で屠殺彦であろうことを予測していた。 全参加者の能力、戦術、性格などを加味した…

第十三の獣〜まくろ=こすもす=りーん〜

策謀の錬金師。 役割は霧獣、絶対的な防衛力と高い生存力を誇る。http://hwm5.gyao.ne.jp/laevatain/character/macro/1.html

第七の獣〜撃鉄〜

燃える火の鳥。爆熱する神速。 カタストロフィを撃ち込んで世界すらをも殺せる銃、その撃鉄。演じるのは虚空獣。 大空を制覇する鳥の王。 http://hwm5.gyao.ne.jp/laevatain/character/gekitetsu/1.html

一角獣

第一の獣、至高の超越獣は一本の角を持っていたという。 その『唯一の角』がある限り、かの獣を一騎打ちで倒す事はできず、またその身を傷つけることもできなかったという。 唯一の象徴であったその角、長く尖った棒状の物体としての符号が、一角獣の役割を…

少女と獣

「私が食べる? お前を? よしてくれ。高貴な獣たる私が、なんで下賤で醜い人間の肉など食べねばならんのだ」 「……じゃあ、あなたは何を食べるの?」 「ふむ、そうだな。たとえば、それは雲のようで雲でなく、綿花のようで綿花でない、後味は喩えようもないほ…

王者陥落

恐怖の叫び声を上げて逃げ去っていく少女の後姿を見送りながら、少々悪趣味が過ぎたかなと反省じみた思考の断片が刹那、反射的に脳裏を通過したが、グレンデルヒはその感傷を愛でる事も無く無為に受け流す。 彼にとって感情というものは完全な論理に支配され…

flamma

この方になら吸われてもいい!そんなことを思ったのはフィアマにとって生まれてはじめてのこと。 ドキドキと高鳴る胸を押さえつけるように手をあてながら、感嘆の溜息をつく。 こんな燃え上がるような恋情を、今まで経験した事が果たしてあっただろうか?否…

獣欲

屠殺彦がヒーローソードの一切を吸い尽くした瞬間、敗北したかに見えたヒーローソードの真価が発揮された。否、厳密に言えば彼は確かに敗北していたのだ。だが彼が演じていた必殺獣の役割(ロール)は物語的な意味を持たない、単純な実力差による敗北を許さ…

ある言霊

未来永劫目覚めよ燦然。誰かが脱落した。 ・・・・・・17/19

第十の獣〜デスキャベツ〜

魔剣に蝕まれし男。 変質する魔剣、英雄の断片刃をその腕に宿す魔剣士。 ひとりの少女への想いを胸に戦いに挑むが、その道は苦難を極める。演じるのは花咲獣。 同じ英雄としての素質を持ちながら、英雄に相応しい役割を与えられたのはヒーローソードだった。…

第九の獣〜フィアマ〜

叡智の魔術師。多彩な魔術の技で相手を翻弄する事を得意としている。 戦闘能力自体はそれほど高くはないが、全ての参加者の中でも屈指の知能を誇る。 演じる獣は万知の火獣。文明の象徴である炎を掲げる小動物がその性質である。 http://hwm5.gyao.ne.jp/lae…

はじまりの死。

ヒーローソードはその相手を初めから警戒していた。 それは彼の長年の修練が生み出した霊感であったかもしれないし、漠然とした予感であったかもしれない。しかしその重圧は確かに彼の張り詰めた弦のような神経を硬く引き絞っていたし、緊張の弦はその脅威を…

第十七の獣〜屠殺彦〜

無限の増殖と無窮の吸奪。 狂気に陥った天才技術者によって生み出された人造生命。あらゆる存在を吸引し、吸収本能の赴くままに万物を吸収し続ける。 恐るべき舐舌獣の役を与えられた。 かの獣の舌で舐められた者は全身が震え縮んでいくのだという。 屠殺彦…

第十四の獣〜リジェネレイト・スライム〜

粘性のなにか。 童話に登場する街をひとつ覆いつくし、絶望で包んで飲み込んでしまうという怪物。 実在した異形は静かにその面積を広げていく。演ずるは流体の水獣。その矮躯は滑らかにしてしなやか。 http://hwm5.gyao.ne.jp/laevatain/character/regenerat…

第一の獣〜グレンデルヒ・ライニンサル〜

超越者。 およそ人の身で想定し得るあらゆる選択肢を持つ万能の男。その膨大な選択肢が足枷になることもあるが、基本的には参加者中最強を誇る。演ずるは究極の神獣。獣達の王にして頂点たる一。 http://hwm5.gyao.ne.jp/laevatain/character/glentelechy/1.…